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「驚きの明治工藝」展特別内覧会へ~その1

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東京藝術大学大学美術館で、明日より開催される「驚きの明治工藝」展の、
特別内覧会に参加させて頂きました。

明治時代、日本の工芸は海外の技法を取り入れていきます。
それまでの伝統の技に、新しい技が加わり
表現する力が強くなり、芸術性が高まっていきました。
万国博覧会への出品では、欧米の人々を魅了し驚かせ、賞賛を得ました。
超絶技巧を凝らした作品が、数多く作り出されたのが明治時代でした。

本展では、台湾のコレクター・宋培安さんのコレクションから、
日本の工芸作品の名品の数々約130点をご紹介(主に明治時代の作品を中心に)。
中でも、「自在置物」(動物や魚などの生物を写実的に模して作られていて
関節・体節を本物のように動かすことができる作品。金属製)は約20点が展示されていて、
それは史上最大の種類と規模であるそうです。
金工、漆工、陶芸、彫刻、染織など様々な工芸作品が
第1章と第2章とに分かれて展示されています。

まず【 第1章 写実の追求 ―まるで本物のように― 】
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《自在龍》宗義 明治 - 昭和時代

入口で迎えてくれたのは、全長約3mの鉄製の龍。
この「自在龍」は、世界最大の自在置物なのだそうです。
天井から吊りさげられていて、宙を飛んでるよう。
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《自在龍》宗義 明治 - 昭和時代(部分)

シルエットもかっこいいですね。いろいろな角度から楽しめます。


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《自在蛇》明珍宗春 江戸時代

精巧に作られた蛇。
ぐねぐねとした形、とてもリアルです。
私の母は蛇が大嫌いなので
この作品を見たら、飛んで逃げると思います(笑)。

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《自在蛇》明珍宗春 江戸時代(部分)

ちょっとシンゴジラみたい?
コマ撮り動画「じざいヘビ、にょろニョロ」が公開されています→
この《自在蛇》を東京藝術大学の方々が「コマ撮り動画」の手法で動画化されたもの。
会場内でも、この動画が放映されていました。

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《自在鯉》宗一 明治時代

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《自在鯉》宗一 明治時代(部分)

ひげもありますよ。

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右《自在鯱》無銘 江戸時代、左《自在龍》無銘 江戸時代



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《自在鯱》無銘 江戸時代

ユーモラスな表情をしていますね。
どっしりとした重みが感じられ。
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《自在鯱》無銘 江戸時代(部分)

頭でっかちなところがかわいらしいですが、
しっかりと魔物から守ってくれそうです。
いろんなアングルから撮ってみると、面白いですね。

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《自在龍》無銘 江戸時代

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《自在龍》無銘 江戸時代(アングルを変えて)

なんだかお茶目です。後ろ足がかわいい。

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《自在龍》明珍清春 江戸時代

龍の隣に、さらに小さな龍(長さ36cm)。
小さいながらも勇猛です。
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《自在龍》明珍清春 江戸時代(部分)

尾っぽが握ってるのは剣でしょうか?

自在置物はこの他に、烏、伊勢海老、蟹、ヤドカリ、蝉、トンボなど。
お子さんたちにも、人気が出そうに思います。

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《瓦上の雀置物》好山 明治 - 昭和時代(部分)

ぴんと立てた尾っぽがかわいい。
鉄や銅、銀などを用いて制作されています。

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《指月猿香合》藻晃 明治 - 昭和時代

月を指さす猿。
とても小さな木彫の作品(指先までの高さは15.5cm)。

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《春日 竹に蜥蜴》宮本理三郎 昭和時代

美しいとかげ。木彫です。

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《羽衣》北村四海 明治 - 大正時代

横から見たときの、この流れるような身体のラインが
とてもきれいでした。

このコレクションを所有されている、コレクターの宋さんは
今回の展覧会の開会式で、「美しい作品が人々に知られる事がなく
隅に置かれている事に気がつき、私はこれらの作品と作者に、
『いつの日か輝きを取り戻し、あるべき場所で地位を確立させる』と約束した。
今日はこの約束を果たす事が出来たのだ。この作品達はやっと日本に里帰り出来た」と、
おっしゃったそうです。



by tote-note | 2016-09-06 23:32 | art

あちらへ、こちらへ、とてててと。


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